『キングダム』最新刊レビュー

概要

『キングダム』は古代中国戦国時代を舞台に、無名の少年・信が王になるために戦い続ける姿を描いた歴史漫画。最新刊である75巻では、遂に始皇帝の時代に突入し、歴史に大きく関わる場面が描かれる。

75巻では、秦の築城作業が描かれる。広大な範囲に城壁を建てるため、建築術士たちが奔走する。台風の日にも関わらず作業は続けられるが、反秦連合軍もその動きを察知し、詰め寄ってくる。

そんな中、主人公・信が指揮する戦力とともに、新技術「弩」を駆使して敵を撃退する。そして、始皇帝が戦乱の中で手に入れた秘宝「如意家宝」をめぐる戦いに突入するのだが……。

この巻では、築城作業や武器の開発など、史実に基づいた秦の進歩とともに、反秦連合軍の戦略や謀略なども描かれる。また、信も少しずつ成長していく姿が見られ、一層物語に引き込まれることができた。

絵も相変わらず美麗で、表情や動きにも細かい描写がされているのが魅力的だ。歴史漫画にありがちなテンポの悪さもなく、読みやすい作品だ。

『キングダム』は、史実やストーリー展開、キャラクターの成長とともに、戦国時代の激動を描いた名作漫画だ。最新刊も、その完成度の高さが際立つ作品となっている。戦記物や歴史物が好きな方には、ぜひオススメしたい作品である。

※『キングダム』は週刊少年ジャンプにて連載中。過去巻も含め、コミックスも発売中。