死役所

概要

「死役所」とは死後の世界で、人々が最後に訪れる所。そこで、生前の罪や功績に応じて、天国または地獄への進路が決定される。主人公の“切那”は、死役所で働く執事として天国と地獄の境界をまもる“人間界”の担当になる。

ストーリー

切那は、人による世の中への不信感から自殺を決意し、死役所で働くことになる。そこで彼が遭遇するのは、様々な運命や人生に捧げた時間、過ちや未練を背負った人々。それらを書類にまとめ、天国へと導いたり地獄に送り込んだりする。彼が出会う人々と触れ合い、彼らの心情や葛藤に寄り添った中で、人を斬る仕事が果たして正しいのかという疑問が生まれてくる。そして、自殺したことを後悔し始めた切那は、自他ともに運命や人生に向き合っていく。

キャラクター

・切那(きりな):死役所で働く執事。生前の不幸から人に対する不信感を抱いている。問題を抱えた人々と出会い、それを書類にまとめ天国か地獄かを判断する仕事をするうちに、人を斬る仕事に疑問を感じ始め、自分自身の運命に向き合うようになる。

・鞘師(さやし):死役所の上司である所長。クールな性格だが、切那に対してはやや優しい態度をとる。

・波江(はえ):自殺者。人間界の住人である、死神と契約を結び、三日間だけ再生することが許された特別な存在。三日間を生き抜くため、切那とともに人々の問題を解決する。

評価

「死役所」は、死後の世界を舞台に、死活観や運命についての哲学的な問いかけをポップな形で描いた作品です。個々のエピソードには、自殺や人間関係のトラブル、恋愛など、人生に関わる様々なテーマが盛り込まれ、それに対する答え合わせが、天国への昇天または地獄への堕落という形で提示されていきます。また、それだけではなく、今この瞬間に価値を見いだすことが大切だというメッセージも込められています。美麗なイラストと共に綴られる心温まる物語は、読む者に勇気を与え、希望を与えてくれます。全16巻の長編作品ですが、どのエピソードも楽しめる、名作漫画の一つといえるでしょう。

リンク

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