「キングダム」レビュー

概要

「キングダム」は、草川正剛先生による歴史漫画で、累計発行部数は1億部を突破している。中国戦国時代を舞台に、主人公の少年・信が将軍に仕え、戦国乱世を生き抜く様子が描かれている。

戦国時代の中国。苛烈な戦いが日常化し、君主や将軍たちは常に戦力を増強するべく、身寄りのない少年たちを拾い上げ、鍛え上げることが行われていた。その中でも、最強の将軍を目指す少年・信が主人公となる。

信は、孤児院で育ち、紆余曲折を経て将軍・王騎に目を付けられ、その才能を見出される。彼は、天才的な軍略と剣の腕を発揮し、次々と軍功を立てていく。しかし、彼の目的はただ1つ。故郷の斉を守り、最後には天下統一の夢を果たすことであった。

主人公の信をはじめ、多彩なキャラクターたちが織り成す物語が魅力のひとつ。伝説の将軍である王騎や、軍師の壁の我孫子、敵将のリボクなど、戦国時代に実在した人物が多数登場する。

作者である草川先生は、キャラクターたちの緊迫した戦いや、人間関係の描写などを丁寧に裏付けるため、リアルな武器・防具や衣装の描写にも拘っている。また、挿絵などもあるため、物語の世界観をより深く感じることができる。

「キングダム」は、細かい描写やキャラクターの人間模様など、多くの要素が詰め込まれた傑作である。また、登場人物たちの強い信念や魅力的な人物像が、読者を引き込む魅力がある。筆者は、この作品を暇があるときに何度も読み返してしまうくらい魅力的だと思う。