あらすじ
主人公である高校生の少年と、同級生である少女が偶然出会い、ドキュメントブックという名の覚え書きを交換することになる。そこには少女が朝練で倒れたことが書かれており、少女は彼女が余命すぐそこに迫っていることを告げる。
感想
本作は「恋愛もの」と「病気もの」が一緒になった作品であり、ある意味特別な作品になっている。病気ものという設定により、ドキュメントブックに書かれたことを「別れ前の思い出」として重視しながらも、告白のタイミングとそのあとの「もしもし」までの少女の切ない苦しみが表現されている。
特に、少女のキャラクターは、生き生きしていてとても魅力的である。少女が自分の望みを、どうしても言えないでいると、主人公が感じ取っているところや、少女の言動がまだ子供っぽいと感じているところで、少女の心の内を覗くことができる。そして、最後になってやっと少女の本音を知ってから最後まで読み進めることができる。
また、アニメ版や映画版もあるが、原作には漫画ならではの美しい絵柄があり、感情移入もしやすいので、原作を一読することをおすすめする。
まとめ
本作は、切なくも美しい「二人の日々」が描かれた病気ものの恋愛もの。読後、少女の言葉が脳裏に残り、あらためて人とのつながりや、大切なものの価値について考えるようになるかもしれない。漫画ファンならずとも一度は読んでみるべき一冊だろう。
※本記事はブックライブの「君の膵臓をたべたい」を読んだ上での個人的な感想です。
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