「キングダム」レビュー

あらすじ

「キングダム」は前221年の戦国時代から古代中国の統一を目指す若き将・信の成長物語である。孤児として生まれ育った信は山賊に身を置いていたが、偶然出会った将軍・王騎によって救われ、その才能を見出される。信は王騎に師事し、自らの力で戦うことを学びながら、天下統一のために戦う。

感想

「キングダム」は、戦争をテーマにした漫画であるが、ただの戦いの描写にとどまらず、人間ドラマや政治の裏側の話も交えられており、興味深く読める。主人公である信の成長物語は見事に描かれており、読者は信とともに成長していく感覚に陥る。また、他の登場人物たちも個性的で魅力的であり、キャラクターの掘り下げもしっかり行われている。

特に、暴君でありながら、「漆黒の騎士」として畏怖される紀彗のキャラクター描写が秀逸である。紀彗は、自分が正しいと思うことしか行わないという強い信念を持っている。そのため、自分が見た目とは裏腹に冷酷非情に振る舞うこともしばしばであるが、それでも紀彗自身が悪だと思っている行為には否定的であり、その辺りの内面描写がよく描かれている。

また、作者の原泰久は、歴史に忠実でありながらも、架空の人物や設定を織り交ぜることで、大河ドラマのような壮大な物語を作り上げている。中でも、「キングダム」の世界観を象徴するのが「天下地図」である。天下地図は、天下が統一するという目的を達成するために、その目指す場所や敵勢力、味方といった情報が詳細に描かれている。この天下地図から、当時の社会や政治状況を知ることができ、物語により深みを与えている。

まとめ

「キングダム」は、戦国時代を舞台にした壮大な物語であり、主人公・信の成長物語を中心に、個性的で魅力的なキャラクターたちの人間ドラマや政治の裏側の話も交えられている。歴史に忠実でありながらも、作者のオリジナル要素が織り込まれた世界観と、スリリングな戦いやドラマティックな展開は、一度読んだら虜になってしまうほどの魅力がある。


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