ストーリー
主人公の「僕」と女子高生の「さくら」が一緒になって、彼女が余命僅かという事実を知ります。二人は、同じ病室に入院していたことから出会い、日々の生活を共にするようになりました。
そして、さくらが書いた「共病文庫」という日記を、彼女が亡くなってから再び手にすることになる僕。そこに書かれていたのは、いつも明るいさくらが実際には病気で、治療を受けていることでした。僕は、それまでの日々を思い返しながら、さくらと過ごした思い出を回想します。
感想
本作は、青春と病というせつなさが、心にしみる感動のストーリーとなっています。
主人公「僕」と女子高生の「さくら」が織り成す物語は、彼女の余命が僅かであることが分かっていたことで、物語を重苦しく感じてしまいそうな気がしますが、そうではありません。二人が出会い、認め合い、その生と死という流れが、とても自然に描かれています。
特に、彼女が残してくれた「共病文庫」が、お互いの気持ちや思いを伝える手段となっている点に注目したいと思います。文章で表現される会話は、文章の魅力が見事に描かれています。
美しい結末に向かって、主人公が追い掛ける二つの夢や、思い出に残る場面など、細部にわたって丁寧に描かれている点も評価できます。
限られた時間の中で、人生を俯瞰するような大事なことを伝えている本作は、心の救いと希望を与えてくれる作品といえます。
おすすめの読者層
・感動系が好きな人
・青春ストーリーが好きな人
・病気について考えたことがある人
・ロマンス要素がある作品が好きな人
以上が、『君の膵臓をたべたい』のレビューでした。
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