あらすじ
「超長期にわたる戦争」が続く惑星間国家同士の抗争を描いた、SF中の名作『銀河英雄伝説』。物語の主人公は、自由惑星同盟軍の若き大佐「ラインハルト・フォン・ローエングラム」と、帝国軍の総司令官「ラインハルト・フォン・ミューゼル」の2人である。彼らの戦いや生き様を通じて、権力や人間の心について深く考えさせられる壮大な物語が展開される。
感想
本作は、主人公たちの受ける損失や傷を描く点がとてもリアルで、読んでいると彼らの痛みを感じることができる。また、男臭いキャラクターたちの飄々とした台詞や、緻密な戦略など、独特な世界観が魅力的で、一度は高揚感を持って読み進めたくなる作品だと思う。ストーリーも全110巻と非常に長いが、途中で飽きることもなく、徐々に深まるキャラクターたちの心理描写が見どころの一つだ。本作の醍醐味は、膨大な登場人物たちがそれぞれの立場から物語を揺るがすことがある点である。決して単純な善悪の対立だけではなく、登場人物それぞれの想いや意図が交差していく様子が秀逸である。
まとめ
本作は、人間同士で起こる(もしくは止められるべき)「戦争」や、権力欲がもたらす「犠牲・損失」、そしてそれらと向き合う人間たちを描いた作品である。壮大なスケール感や、登場人物たちの複雑な立場、心情描写、緻密な戦術や戦闘描写など、圧巻の内容が特徴的だ。一冊の本で110巻という読み応えはあるが、SFや戦記ものが好きな方には、かなりお勧めである。
※本記事は、個人的な感想を記載しているものであり、公式の見解を意図しているわけではありません。
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